なぜ夜の明かりが生まれたのか
夜の明かりシリーズは、吹付塗装の中で偶然生まれた金と黒のグラデーションから始まりました。
その表情を見た瞬間、冬の東京駅丸の内側から皇居へ向かって眺めた夜景が頭に浮かびました。静かな夜に灯る明かりと、澄んだ空気の中に広がる黒い空。その景色を塗りで表現できるかもしれない。そう感じたことが、このシリーズの原点です。
その後、山中温泉で見た街灯に照らされる雪や、水面に映る光など、自分がこれまで心を動かされてきた夜の風景が重なり、「夜の明かり」という世界観が少しずつ形になっていきました。
振り返ると、私たちがつくってきた商品には共通するテーマがありました。
「うつろい」は、季節や心がゆっくりと変化する美しさ。
「たそがれ」は、昼から夜へと移り変わる、わずかな時間だけに現れる色彩。
そして「夜の明かり」は、夜だからこそ感じられる静けさや、光がもたらす温もりを表現しています。
どの商品も描いているのは、形ではなく、時間とともに移り変わる風景です。
同じ場所でも、時間が変われば景色は変わる。
同じ季節でも、その日、その瞬間にしか出会えない美しさがあります。
私たちは、その一瞬を漆や塗装で表現したい。
「うつろい」から「たそがれ」、そして「夜の明かり」へ。
時間が流れ、風景が変わる。
その移ろいを描き続けることが、「景色を塗る会社」asadaの哲学です。
